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政府は法人税改革の全容を固め、企業の法人税の実効税率を20%台まで引き下げる方向で

調整に入っています。

 

実はこの法人税、27年度に引き続き、28年度にも引き下げが決定しています。

 

27年度から法人税の減税が始まっています

 

法人税に関しては26年度までは34.62%でした。

 

さらに27年度は32.11%に減税し、平成28年度に29.97%、30年度に29.74%、

と段階を分けて引き下げることが決定しています。

 

参考:法人税減税を正式決定(産経ニュース)

 

法人税減税の狙いは?

 

法人税減税による政府の狙いは海外企業の日本誘致を促進し、日本企業の国際競争力を強化することです。

 

もともと各国では企業のグローバル化などから法人税が減税される傾向にあります。

 

現在、アメリカやオーストラリアを除き、主要各国の法人税率は日本よりも低く、イギリスの法人税率は20%、

韓国の法人税率は24.20%となっています。

 

法人税が低いと、企業が国に納める金額も当然少額になります。

 

海外への日本企業の流出を防ぎ、海外からの企業を誘致したいという思いから、

各国の法人税減税に追随する形で日本も法人税を下げていこうというのが政府の狙いなのです。

 

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参考:財務省HPより(2015年4月現在)

 

法人税減税の問題点

 

1.代替財源の確保

法人税減税で一番問題になるのは代替財源の確保です。

 

法人税減税による効果で国内経済が活性化するまで当分の間は、国の税収入が減りますので

当然別のところから資金を調達しなければなりません。

 

現在、日本企業およそ250万社のうち約73%、180万社が赤字決算といわれていますが、

その赤字法人に対して「課税を強化」するなどの方法が考えられています。

 

…という事は、法人税を減税しても3割弱の黒字法人にしか効果はなく、この恩恵を受けられるのは

一部の大企業だけ、とも言われています。

 

2.法人税減税だけで国際競争に勝てるのか

法人税を引き下げて主要各国と同じラインに並んだだけでは、すぐには国際競争に勝てません。

 

海外企業にとって魅力がある進出先とは、生産したものをその場で消費できる国なのです。

企業はこの「消費地生産」を戦略として進出先を考えます。

 

法人実行率を下げるとともに、日本の国内需要を高め、海外企業にとって「魅力的な消費地」

になる必要があります。

 

3.減税を喜ばない人たちもいる?

上記1.でも説明したとおり法人税を減税すると税収は減り、それを賄うための「財源確保」が

問題となります。

 

財源確保のために別の部分で増税が行われると法人税の減税の恩恵を受けられないような企業や、

増税傾向にある一般の消費者等からの反発が出てくることも課題となるでしょう。

 

なぜ問題点を抱えてるのに減税をするの?

 

確かに、法人税減税は「大企業優遇」と批判されがちですが、

国内の赤字企業である多くの中小企業に法人税減税に関係がないかというと、実はそうではありません。

 

大概の中小企業は、大企業から多くの仕事を請け負っています。

大企業が苦境に立つということは日本経済を支える中小企業にとっても困ることとなり、

製品の消費者である私たち個人にも影響があります。

 

日本企業の大きな工場は日本には建設されなくなり、本社を海外に移転する企業も増えています。

 

企業が国外に出て行ってしまうと雇用がなくなり、失業する人が出てきます。

工場がなくなり、働く人がいなくなれば、その地域全体の経済的ダメージになります。

 

なので、これ以上、「企業を外国に出て行かせないこと」が最優先なのです。

法人税減税は、「政府は日本企業の経済活動の環境整備に向けて頑張っていますよ!」

という意思表示でもあるのです。

 

長期的視野で法人税の動向を見守ろう

 

法人税の実効税率を下げ、主要各国との税格差を減らすための法人税減税は

「海外企業の対日進出」と「日本企業の競争力アップ」という2つの効果が期待されています。

 

しかし財源の確保が難しく、増税となる方からの反発が避けられない為、今後、法人税が

どれぐらい減税されるかはまだまだ不透明でもあります。

 

「法人税減税=大企業優遇」とか「赤字企業ばかりだから無意味」と批判の目だけでなく、

多面的かつ長期的視野で日本経済活性の起爆剤となるか、これからの動向に注目していきましょう。


 

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