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160317


 

 「相続対策で孫を養子にした」、 との話をお聞きになったことはありますか?

孫を養子縁組することで、相続する上で どのような効果があるのかを解説します。  

 

孫と養子縁組する効果とは

 

養子縁組とは、 実際の血縁(いわゆるDNA)上の親子関係がない間柄において

法律的に親子関係を成立させる手続きをいいます。  

 

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養子縁組は、養親と養子(又は養子の実の親)の合意があれば成立します。

 

そして、養子は「子」として血縁のある実の子と同じ立場となり、養親が死亡した場合には当然ながら

財産を相続する権利を 有することとなります。

 

したがって、孫を祖父母の養子にした場合には、祖父母が死亡したときに孫は相続人として

財産を相続することができます。

 

これにより、本来なら一度子が相続し、その子が死亡してから 孫が相続するところを、

相続税および相続手続きを一世代飛ばすことができます。

 

また、財産を相続する権利を有する相続人(=法定相続人)が増えることで、

相続税負担の軽減を図る効果もあります。

 

法廷相続人が多い方が負担は軽い

 

相続税を計算する上においては、 法定相続人に該当する人の数を基礎に計算する項目があります。

 

たとえば相続税の課税対象から除外する金額を求める次のいずれの算式も、

法定相続人の数を計算の基礎と しています。

 

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つまり、 法定相続人の数は多い方が除外する金額が大きくなり、相続税負担の軽減となります。

 

また、相続税の計算は、課税される財産の総額を各相続人の法定相続分で按分してから累進税率を乗じますので、

相続人の人数(すなわち子供の人数)が1人増え、相続人1人当たりの法定相続分が小さくなる方が適用される

累進税率が低くなる 場合があり、結果相続税額が軽減できる可能性があるのです。

 

次に、具体例をもとに相続税対策のための養子縁組についてメリットデメリットを考えてみましょう。

 

上手くいけば税率も下げられます

 

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上例では、遺産が9,000 万円、法定相続人が長男、二男、長女の3人として考えてみました。

このケースでは、相続税の総額は480万円になります。

 

そこで、孫を1 人養子にした場合を 計算してみますと、法定相続人が1人増えることにより

基礎控除額は600万円増加します。

 

また、法定相続分に応じた1 人当たりの取得金額も減少します。

これにより、適用される相続税の税率は15%から10%へと下がり、相続税の総額は360万円となります。

 

この場合の養子縁組による節税効果は、120万円ということになります。

 

実子ありは1人まで、孫養子は2割増

 

このように、一定の節税効果が期待できる養子縁組制度ですが、相続税の計算をする上で

無制限に養子を認めてしまうと、相続税の課税逃れが横行する危険が生じます。

 

そのため、相続税の計算上法定相続人の数にカウントできる養子の数は1人まで

(被相続人に実の子がいない場合には2人)と決められています。

 

また平成15 年以降は、孫養子については相続税負担を一世代飛ばす結果となりますので、

納付すべき相続税を2割増にする、という税制改正が行われました。

 

参考:相続税額の2割加算|国税庁HP 

 

ほかの相続人と揉める場合も

 

このような相続税を計算する上でのルールが一人歩きをして、養子縁組は1人しかできないと思っている方も

多いのですが、法律上は何人でも養子縁組が可能で、養子となった人は全て平等に相続する権利があります。

 

相続税の計算上は有利になる養子縁組ですが、本来の相続人以外の方に相続権が発生しますので、

他の相続人は自身の相続分が少なくなるなどの不利益を被ることもあり、実際にはトラブルも少なくありません。

 

せっかくの対策が トラブルを招く結果とならないよう

養子縁組などをお考えの際は、私共専門家にご相談ください。  


 

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